CVD予防における包括的リスク管理の重要性
日本人の大規模疫学研究で明らかになった、脳心血管病(CVD)予防に関する包括的リスク管理の重要性(EPOCH-JAPAN)

Satoh, M. et al.: Hypertension 65(3): 517, 2015より作図
対象・方法
日本で実施した11のコホートから、日本人73,916例(平均年齢57.7歳、男性41.1%)のデータを抽出してメタ解析を行った(平均追跡期間=15年)。
EPOCH-JAPAN※1では、収縮期血圧と総コレステロール値が上昇するほど冠動脈疾患の死亡リスクが上昇し、両者が最も高い群では最も低い群に比べて、死亡数は5.0倍に(図)、ハザード比では4.4倍にも達することが報告されました。
動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022年版1)においても、危険因子の重複による冠動脈疾患や脳卒中の危険度の上昇について記されており、動脈硬化のリスクの包括的な管理によって動脈硬化性疾患の予防を目指すとされています。また、合剤の使用による服薬数の減少により、服薬アドヒアランスの向上が期待でき、動脈硬化性疾患に対する合剤の使用は提案できるとされています。
※1 EPOCH-JAPAN:大迫研究、久山町研究、吹田研究などわが国を代表する17の前向きコホート研究の約24万人のデータを統合した研究。
1)日本動脈硬化学会編:動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022年版:6, 19, 63, 130, 2022