セララをご使用の際は、添付文書の効能又は効果、用法及び用量等に従い、適正にご使用ください。
よくあるご質問
よくあるご質問
【効能又は効果】 |
セララ錠 25mg・50mg 下記の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、利尿薬等の基礎治療を受けている患者 慢性心不全 セララ錠 25mg・50mg・100mg 高血圧症 |
【用法及び用量】 |
慢性心不全 通常、成人にはエプレレノンとして1日1回25mgから投与を開始し、血清カリウム値、患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に1日1回50mgへ増量する。ただし、中等度の腎機能障害のある患者では、1日1回隔日25mgから投与を開始し、最大用量は1日1回25mgとする。なお、血清カリウム値、患者の状態に応じて適宜減量又は中断する。 高血圧症 通常、成人にはエプレレノンとして1日1回50mgから投与を開始し、効果不十分な場合は100mgまで増量することができる。 |
- 慢性心不全におけるセララの投与開始用法及び用量が 25mg 1日1回となったのはなぜですか。
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日本人慢性心不全患者における開始用法及び用量を25mg 1日1回と設定した根拠は以下をご覧ください。
・日本人症候性心不全患者を対象に実施した用量反応試験(国内第Ⅱ相試験: 402試験 2) )から、日本人においてセララ25mg 1日1回投与によりミネラルコルチコイド受容体に対する薬理学的作用が示されました。
・日本人と欧米人の慢性心不全患者の薬物動態は類似していることから、日本人と外国人におけるセララの臨床推奨用法及び用量は同様であると考えました。
・海外第Ⅲ相試験( EPHESUS試験 2) 及び EMPHASIS-HF試験 3) )及び国内第Ⅲ相試験( J-EMPHASIS-HF試験 4) )でも同様の開始用法・用量を用い、これらの成績からセララの臨床的有用性が示されました。
・慢性心不全の標準治療としてACE阻害薬、ARBとの併用割合は高いことが想定され、高カリウム血症のリスクを最小化するために、低用量である25mg 1日1回から投与を開始することが妥当と考えました。
海外第Ⅲ相試験(EPHESUS試験及びEMPHASIS-HF試験)及び国内第Ⅲ相試験(J-EMPHASIS-HF試験)の開始用量の設定根拠につきましては以下をご覧ください 1) 。
EPHESUS試験の開始用法及び用量の設定根拠
EPHESUS試験の開始用法及び用量は、主に用量反応性試験(海外第Ⅱ相試験:011試験)に基づいて設定しました。この結果から、セララ25mg 1日2回投与、50mg 1日1回投与、100mg 1日1回投与において、プラセボ群との比較で統計的に有意な差がみられ、セララ25mg 1日1回投与もミネラルコルチコイド受容体に対する薬理学的作用を示唆する結果が得られています。また、慢性心不全の治療において、ACE阻害薬又はARBの併用が予想されることから、併用による高カリウム血症発現のリスクを低減させるために、低用量である25mg 1日1回から投与を開始することとしました。
EMPHASIS-HF試験の開始用法及び用量の設定根拠
EMPHASIS-HF試験は、EPHESUS試験において有効性と安全性が確認され、心筋梗塞後の心不全の適応症が欧米で承認された後に計画したため、欧米での心筋梗塞後の心不全の適応症の用量である開始用量25mg 1日1回投与を選択しました。
J-EMPHASIS-HF試験の開始用法及び用量の設定根拠
日本人の用量反応性試験(国内第Ⅱ相試験:402試験)の結果から、25mg 1日1回投与におけるミネラルコルチコイド受容体に対する薬理学的作用を有することが示唆されています。また、402試験及び海外用量反応性試験(011試験)の結果から日本人と外国人の臨床推奨用量が同様と考えられました。さらに、日本国内においても、心不全治療の実臨床においてACE阻害薬又はARBの併用割合が高いことを考慮し、高カリウム血症のリスクを最小化するために、25mg 1日1回から投与開始することとしています。
注)本剤は国内・国外の臨床試験を基に評価され、承認されました。国外で実施した試験において、一部承認外の内容が含まれております。
注)セララの効能又は効果は、高血圧症、慢性心不全(アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、利尿薬等の基礎治療を受けている患者)です。
注)カリウムに関連する添付文書の注意事項は、 こちら をご覧ください。参考文献
1)社内資料:日本人症候性心不全患者を対象とした第Ⅱ相用量反応試験(402試験)(承認時申請資料)
2)Pitt, B. et al.: N Engl J Med. 348(14): 1309, 2003 (承認時評価資料)
COI(ファルマシアは本試験の研究資金、Dr.Pitt、Dr.Zannadへコンサルタント料を支払っている)
3)Zannad, F. et al.: N Engl J Med. 364(1): 11, 2011 (承認時評価資料)
COI(ファイザーは本試験をサポートし、筆頭著者Dr.Zannadに講演料を支払っています)
4)社内資料:日本人慢性心不全患者を対象とした第Ⅲ相試験(承認時評価資料) - 中等度腎機能障害のある慢性心不全患者において、 セララの開始用量が25mgの隔日投与となったのはなぜですか。
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本邦では、既に承認されていた効能又は効果である高血圧症では、中等度以上の腎機能障害(クレアチニンクリアランス50mL/min未満)のある患者には高カリウム血症の発現リスクが高まるため禁忌に設定しました。しかしながら、慢性心不全患者では、腎機能障害を有する患者の割合が高く、当該患者も含めた治療が必要であるという医療実態を考慮して、安全性に十分配慮した上で、腎機能障害を有する心不全患者にも投与を可能とする開発計画としました。
セララの慢性心不全における国内外第Ⅲ相試験( EMPHASIS-HF試験 1) 、 J-EMPHASIS-HF試験 2) )では、腎機能低下患者[ベースライン時推算糸球体濾過量(eGFR)30以上50mL/min/1.73m 2 未満]で高カリウム血症が発現するリスクを最小化するために、25mgの隔日投与から開始し、忍容性が良ければ25mg 1日1回投与に増量するという投与量の調整方法を採用しました。その結果、これらの被験者において高カリウム血症等の腎機能が低下した場合に特に懸念される有害事象の発現率が著しく増加する傾向が認められなかったこと、及びこれらの被験者集団と試験全体の集団と有効性について同様の傾向がみられたことから、中等度の腎機能障害のある患者では、臨床試験で設定した用法及び用量に基づき、25mgの隔日投与から開始し、最大用量は25mg 1日1回としました。海外第Ⅲ相試験(EMPHASIS-HF試験)及び国内第Ⅲ相試験(J-EMPHASIS-HF試験)の開始用量の設定根拠につきましては以下をご覧ください。
EMPHASIS-HF試験の中等度腎機能障害患者の開始用量の設定根拠
EMPHASIS-HF試験が計画された当時、欧州においてクレアチニンクリアランス50mL/min未満の患者への投与は禁忌としていました。しかしながら、慢性心不全では腎機能が低下している患者が多いこと、本試験計画時には、欧州では禁忌であった中等度の腎機能低下患者における投与経験はなかったことを考慮し、安全性確保の観点から高カリウム血症が発現するリスクを最小化するために、ベースライン時eGFR 30以上50mL/min/1.73m 2 未満の被験者には、25mg隔日投与から開始し、忍容性が良ければ25mg 1日1回投与に増量するという投与量の調整方法を設定しました。
J-EMPHASIS-HF試験の中等度腎機能障害患者の開始用量の設定根拠
本邦の疫学データから慢性心不全では、腎機能が低下している患者が多く認められ、リスクベネフィットの観点より、投与量調節を行うことにより腎機能が低下した慢性心不全患者もセララの投与対象となるように臨床試験を計画しました。すなわち、EMPHASIS-HF試験と同様に、eGFR 30以上50mL/min/1.73m 2 未満の被験者には、25mgの隔日投与から開始し、忍容性が良ければ25mg 1日1回投与に増量するという投与量の調整方法を設定しました。
注)セララの効能又は効果は、高血圧症、慢性心不全(アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、利尿薬等の基礎治療を受けている患者)です。
注)カリウムに関連する添付文書の注意事項は、 こちら をご覧ください。
注)腎機能障害に関連する添付文書の注意事項は、 こちら をご覧ください。参考文献
1)Zannad, F. et al.: N Engl J Med. 364(1): 11, 2011 (承認時評価資料)
COI(ファイザーは本試験をサポートし、筆頭著者Dr.Zannadに講演料を支払っています)
2)社内資料:日本人慢性心不全患者を対象とした第Ⅲ相試験(承認時評価資料) - 慢性心不全の最大用量は50mg/日ですが、 なぜ高血圧症で承認されている100mg/日まで投与できないのですか。
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日本人高血圧症患者における最大用量については、承認申請時の臨床試験成績より100mg/日から200mg/日への明確な増量に伴う降圧効果は認められず、安全性については高カリウム血症の発現増加が示唆されたため、100mg/日が最大用量として承認されました 1) 。日本人慢性心不全患者においては、海外第Ⅲ相試験( EPHESUS試験 2) 及び EMPHASIS-HF試験 3) )及び国内第Ⅲ相試験( J-EMPHASIS-HF試験 4) )の用法及び用量を基に承認申請を行いました。最大用量50mg/日に設定したこれらの試験結果から、一貫した有効性及び良好な忍容性が確認され、これらの試験で用いられた用法及び用量を基に最大投与量を設定しました。また、海外( 011試験 5,6) )及び国内( 402試験 5) )の心不全患者を対象とした用量反応試験成績から、日本人と外国人の慢性心不全患者におけるセララの臨床推奨用量は同様と考えられました。
海外第Ⅲ相試験(EPHESUS試験及びEMPHASIS-HF試験)及び国内第Ⅲ相試験(J-EMPHASIS-HF試験)の最大用量の設定根拠につきましては以下をご覧ください。
EPHESUS試験の最大用量の設定根拠
EPHESUS試験の開始用量は、主に用量反応性試験(海外第Ⅱ相試験:011試験)に基づいて設定しました。尿中アルドステロン、血漿レニン(総レニン及び活性レニン)等の変化から、50mg/日及び100mg/日ではミネラルコルチコイド受容体に対する薬理学的作用が同等であるものの、性ホルモン関連の有害事象の発現リスクが100mg/日よりも50mg/日において低いことが示唆されたため、最大用量を50mgとしました。
EMPHASIS-HF試験の最大用量の設定根拠
EMPHASIS-HF試験は、EPHESUS試験において有効性と安全性が確認され、心筋梗塞後の心不全の適応症が欧米で承認された後に計画したため、欧米での心筋梗塞後の心不全の適応症の用量である最大用量50mgを選択しました。
J-EMPHASIS-HF試験の最大用量の設定根拠
国内第Ⅱ相試験(402試験)及び海外第Ⅱ相試験(011試験)の成績から、日本人と外国人の慢性心不全患者におけるセララの臨床推奨用量は同様であると考えられ、また、日本人において50mg 1日1回投与の用法及び用量で安全性に問題は認められませんでした。そのため、402試験の結果に基づき、EMPHASIS-HF試験と同様の用法及び用量を用いることは臨床的に妥当であると考え、J-EMPHASIS-HF試験においてもEMPHASIS-HF試験と同様に最大用量を50mgとしました。
注)本剤は国内・国外の臨床試験を基に評価され、承認されました。国外で実施した試験において、一部承認外の内容が含まれております。
注)セララの効能又は効果は、高血圧症、慢性心不全(アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、利尿薬等の基礎治療を受けている患者)です。
注)カリウムに関連する添付文書の注意事項は、 こちら をご覧ください。
注)セララの慢性心不全に対する用法及び用量は「通常、成人にはエプレレノンとして1日1回25mgから投与を開始し、血清カリウム値、患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に1日1回50mgへ増量する。ただし、中等度の腎機能障害のある患者では、1日1回隔日25mgから投与を開始し、最大用量は1日1回25mgとする。なお、血清カリウム値、患者の状態に応じて適宜減量又は中断する」です。参考文献
1)審査報告書(2007年7月31日)
2)Pitt, B. et al.: N Engl J Med. 348(14): 1309, 2003 (承認時評価資料)
COI(ファルマシア:研究資金提供)
3)Zannad, F. et al.: N Engl J Med. 364(1): 11, 2011 (承認時評価資料)
COI(ファイザーは本試験をサポートし、筆頭著者Dr.Zannadに講演料を支払っています)
4)社内資料:日本人慢性心不全患者を対象とした第Ⅲ相試験(承認時評価資料)
5)社内資料:外国人の症候性心不全患者を対象とした外国第Ⅱ相試験(011試験)(承認時申請資料)
6)社内資料:日本人の症候性心不全患者を対象とした国内第Ⅱ相用量反応試験(402試験)(承認時申請資料) - セララは慢性心不全の第一選択薬として使用可能ですか。
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セララは慢性心不全の基礎治療薬(ACE阻害薬又はARB、β遮断薬、利尿薬等)に追加投与する薬剤です。ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬は各種心不全ガイドラインにおいて、これらの薬剤と併用して投与されることが推奨されており 1)-3) 、海外第Ⅲ相試験( EMPHASIS-HF試験 4) )及び国内第3相臨床試験( J-EMPHASIS-HF試験 5) )においても、これらの薬剤に追加投与することで有効性と安全性が認められています。よって、セララは標準治療薬からの切り替えや単独で使用する薬剤ではなく、追加投与という位置付けになります。なお、基礎治療薬すべてを投与しないとセララを投与できないということではありません。最終的には患者の症状を鑑みて医師の判断となります。
注)セララとACE阻害薬、ARBは併用注意です。禁忌を含む使用上の注意の改訂に十分ご留意下さい。
参考文献
1)日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン:急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版), 2018 http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_tsutsui_h.pdf
2)Ponikowski, P. et al.: Eur Heart J. 37(27): 2129, 2016
3)Yancy, C.W. et al.: Circulation. 136(6): e137, 2017
4)Zannad, F. et al.: N Engl J Med. 364(1): 11, 2011 (承認時評価資料)
COI(ファイザーは本試験をサポートし、筆頭著者Dr.Zannadに講演料を支払っています)
5)社内資料:日本人慢性心不全患者を対象とした第Ⅲ相試験(承認時評価資料) - セララの禁忌及び併用禁忌が慢性心不全と高血圧症によって 異なるのはなぜですか。
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以下のように慢性心不全は高血圧症と異なり生命を脅かす可能性がある病態であるため、慢性心不全と高血圧症で異なる禁忌及び併用禁忌を設定しています 1) 。
・心不全は生活習慣病である高血圧症と異なり、患者の日常生活は著しく障害され生活の質が低下するとともに、突然死の頻度も高く、生命予後は極めて悪い。
・慢性心不全の患者では、腎機能が低下している患者が多く認められている。過剰な体液貯留を伴う心不全患者の治療においては利尿を促進する必要があり、利尿薬の使用により低カリウム血症を発症する懸念がある。
・低カリウム血症は心室性不整脈を誘発するなど、重症の場合は死亡に至る可能性があり、心不全患者では不整脈及び心突然死の一因となる懸念がある。
慢性心不全と高血圧症で異なる禁忌に関する詳細は以下をご覧ください。
腎機能障害の患者への投与に関する禁忌について
高血圧症では、クレアチニンクリアランスの低下に伴い血清カリウム値上昇のリスクが増加する傾向がみられたことから、「中等度以上の腎機能障害のある患者」を禁忌としました。一方慢性心不全では、腎機能が低下している患者が多く認められ、かつ心不全は生命予後が極めて悪い疾患であることを踏まえ、中等度の腎機能障害のある患者[推算糸球体濾過量(eGFR)30以上50mL/min/1.73m 2 未満]を対象集団に入れて実施した海外第Ⅲ相試験( EMPHASIS-HF試験 2) )及び国内第Ⅲ相試験( J-EMPHASIS-HF試験 3) )で有効性及び安全性が確認されたため、「中等度の腎機能障害のある患者」については「特定の背景を有する患者に関する注意:より頻回に血清カリウム値を測定すること。高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある。」という記載のもと、注意して使用することとし、「重度の腎機能障害のある患者」については禁忌としました。
カリウム製剤の併用に関する禁忌について
高血圧症では、セララの作用機序より、高カリウム血症を誘発する可能性があることから、「カリウム保持性利尿薬及びカリウム製剤」を併用禁忌としました。一方慢性心不全では、過剰な体液貯留を伴うため利尿を促進する必要があり、その過程で低カリウム血症を発症する懸念があるため、カリウム製剤の投与が必要となる場合があること、及び血清カリウム値の推移を経時的にモニタリングしながらセララの用量を調整することで高カリウム血症のリスクを最小限にできると考えられることから、「カリウム製剤」は併用禁忌ではなく、併用注意と設定しました。
微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者への投与に関する禁忌について
高血圧症では、微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う2型糖尿病高血圧症患者にセララを投与した場合、高カリウム血症を誘発させるおそれがあることから、「微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者」を禁忌としました。一方慢性心不全では、糖尿病を含め多くの合併症を併発する患者が多く認められ、かつ心不全は生命予後が極めて悪い疾患であることを踏まえ、糖尿病患者を対象集団に入れて実施した海外第Ⅲ相試験(EMPHASIS-HF試験)及び国内第Ⅲ相試験(J-EMPHASIS-HF試験)で有効性及び安全性が確認されたため、糖尿病患者を禁忌としませんでした。
注)カリウムに関連する添付文書の注意事項は、 こちら をご覧ください。
注)腎機能障害に関連する添付文書の注意事項は、 こちら をご覧ください。参考文献
1)インタビューフォーム V.治療に関する項目 P.12
2)Zannad, F. et al.: N Engl J Med. 364(1): 11, 2011 (承認時評価資料)
COI(ファイザーは本試験をサポートし、筆頭著者Dr.Zannadに講演料を支払っています)
3)社内資料:日本人慢性心不全患者を対象とした第Ⅲ相試験(承認時評価資料) - セララは適応症により用法及び用量や禁忌・特定の背景を有する患者に関する注意や相互作用などが異なりますが、 高血圧症と慢性心不全を合併している患者は どちらの疾患に合わせればよいですか。
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高血圧症と慢性心不全を合併している患者には、慢性心不全に対する適応症でセララを投与する際は、添付文書の慢性心不全に該当する箇所をご確認ください。一方、高血圧症に対する適応症でセララを投与する場合は、高血圧症に該当する箇所をご確認ください。
どの適応症に対してセララを処方するのか、他の治療方法の選択も含め、各患者さんの状態を考慮し担当する医師がご判断下さい。なお、セララを投与する際は、高カリウム血症があらわれることがあるため、血清カリウム値を原則として投与開始前、投与開始後(又は用量調節後)の1週間以内及び1ヵ月後に観察し、その後も定期的に観察するなど注意して下さい(添付文書8.重要な基本的注意(8.1)) 1) 。注)カリウムに関連する添付文書の注意事項は、 こちら をご覧ください。
参考文献
1) セララ 添付文書 - なぜ、適応症によって高カリウム血症の発現頻度が異なるのですか。
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高血圧症及び慢性心不全では、病態、合併症、併用薬(カリウム保持性利尿薬、RA系阻害薬等は高カリウム血症の原因となり得ることが知られています)又は腎機能障害の程度が異なり、これらの違いは血清カリウム値に影響を与えます。添付文書に記載の高カリウム血症の発現頻度は、異なる背景の患者を対象に実施された異なる試験の発現頻度を記載しているため、発現頻度に違いがあります。
国内及び海外臨床試験における、各々の病態の高カリウム血症の発現率は以下のとおりです 1) 。
・高血圧症: 25~400mg/日を投与した症例3,353例中、高カリウム血症は57例(1.7%)
・慢性心不全: 25~50mg/日又は25mg/隔日を投与した症例1,471例中、高カリウム血症は107例(7.3%)
注)本剤は国内・国外の臨床試験を基に評価され、承認されました。国外で実施した試験において、一部承認外の内容が含まれております。
注)カリウムに関連する添付文書の注意事項は、 こちら をご覧ください。
注)腎機能障害に関連する添付文書の注意事項は、 こちら をご覧ください。参考文献
1) セララ 添付文書 - セララは高血圧症患者の血清カリウム値にどのくらい影響がありますか。
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本態性高血圧症患者を対象に行われた用量反応試験(海外第Ⅱ相試験: 010試験 1) )における用量別のカリウム平均変化量(mEq/L)をご紹介します。なお、症例数が少ないため(各群50例程度)、解釈には注意を要しますが、添付文書の用法及び用量で認められているセララ50~100mg/日の範囲ではカリウム上昇度に用量依存性を認められておりませんが、セララ400mg 1日1回では有意な上昇が認められました(Dunnett’s test)。
用量別のカリウム平均変化量(海外データ)
* p<0.05 vs プラセボ群(セララ:Dunnett’s test、アルダクトンA:contrast-based t test)
†p<0.05 vs アルダクトンA群(Dunnett’s test)また、高血圧症患者を対象に実施した市販直後調査において、高カリウム血症/血中カリウム増加が認められた症例では、70歳以上の高齢者が多数を占めていたこと、投与前の血清カリウム値が5.0mEq/Lを超える症例、腎機能障害を有する患者、さらに血清カリウム値を上昇させる薬剤(カリウム製剤、ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)との併用との関連が示唆されています 2) 。
注)本剤は国内・国外の臨床試験を基に評価され、承認されました。国外で実施した試験において、一部承認外の内容が含まれております。
注)カリウムに関連する添付文書の注意事項は、 こちら をご覧ください。
注)腎機能障害に関連する添付文書の注意事項は、 こちら をご覧ください。
注)セララとACE阻害薬、ARBは併用注意です。禁忌を含む使用上の注意の改訂に十分ご留意下さい。用法及び用量
〈高血圧症〉通常、成人にはエプレレノンとして1日1回50mgから投与を開始し、効果不十分な場合は100mgまで増量することができる。参考文献
1)Weinberger, M.H. et al.: Am J Hypertens. 15(8): 709, 2002(COI:ファルマシア研究資金提供)
2)社内資料:セララ錠市販直後調査(高血圧症) - セララの女性化乳房の発現頻度はどのくらいですか。
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承認時の国内及び海外臨床試験における女性化乳房の発現頻度は、高血圧症患者及び慢性心不全患者のいずれにおいても0.5%未満でした 1) 。
参考文献
1) セララ 添付文書 - セララは高血圧症患者の血中アルドステロン濃度やレニン活性に影響を及ぼしますか。
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承認時のセララ投与後の血中アルドステロン濃度及びレニン活性の推移を検討した報告を以下に紹介いたします。
本態性高血圧症患者を対象に行われた用量反応試験(国内第Ⅱ相試験: 403試験 1) )
日本人本態性高血圧症患者193例を無作為に4群(プラセボ、又はセララ50mg、100mgあるいは200mgを1日1回)に割付け、8週間投与した結果、ベースライン時と比べ、血中アルドステロン濃度は50mg投与群で58.4%、100mg投与群で54.6%の増加が認められました。またレニン活性は50mg投与群で34.9%、100mg投与群で68.7%の増加が認められました。
本態性高血圧症患者を対象に行われた用量反応試験(海外第Ⅱ相試験: 010試験 2) )
承認時の臨床試験において、用量別のレニン活性及びアルドステロン濃度を検討しています。総レニン値、レニン活性値及び血清アルドステロン値は、セララ投与に伴い上昇傾向にあったことが報告されています。
本態性高血圧症患者を対象に行われた用量反応試験(海外第Ⅱ相試験: 049試験 3) )
成人男女高血圧症患者400例にプラセボを3~4週間投与してベースライン時の値を測定後、プラセボ、セララ25mg/日、50mg/日、100mg/日あるいは200mg/日に割付け12週間投与した結果、血清アルドステロン濃度及びレニン活性はセララ投与により用量依存的に有意に上昇しました。
注)本剤は国内・国外の臨床試験を基に評価され、承認されました。国外で実施した試験において、一部承認外の内容が含まれております。
注)セララの高血圧症に対する用法及び用量は「通常、成人にはエプレレノンとして1日1回50mgから投与を開始し、効果不十分な場合は100mgまで増量することができる」です。参考文献
1)Saruta, T. et al.: J Clin. Hypertens. 6(4): 175, 2004 (承認時評価資料) COI(ファイザー:研究資金提供)
2)Weinberger, M.H. et al.: Am J Hypertens. 15(8): 709, 2002(COI:ファルマシア研究資金提供)
3)White, W.B. et al.: Am J Cardiol. 92(1): 38, 2003 - 本態性高血圧症患者を対象に行われた用量反応試験 (海外第2相臨床試験:010試験)[海外データ]
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目的:
本態性高血圧症患者を対象としたエプレレノンの用法・用量を検討する。
対象:
本態性高血圧症患者417例
試験デザイン:
多施設共同、無作為化、二重盲検、実薬(スピロノラクトン)及びプラセボ対照、並行群間比較試験
試験方法:
エプレレノン各投与群(Ep群:50mg/日、100mg/日、400mg/日を1日1回あるいは1日2回投与) とプラセボ群(P群:1日2回投与)及びスピロノラクトン群(Spi群:1日2回100mg/日投与)に無作為に割り付け、8週間にわたり1日1回(朝)あるいは1日2回(朝とその12時間後)治療薬を投与した。
評価項目:
[主要評価項目]投与開始8週間後のベースラインからの降圧効果(DBP:坐位、カフ圧、トラフ時)
[副次評価項目]投与開始8週間後のベースラインからの降圧効果(SBP:坐位、カフ圧、トラフ時)、ABPMによる24時間平均値及びトラフ時血圧(DBP及びSBP)、RAASホルモン(血漿総レニン、血漿活性レニン及び血清アルドステロン)に対する影響、有効例の割合
解析計画:
有効性評価についてはベースライン値を共変量、用量群、施設を要因とした共分散分析モデル(ANCOVA)により調整済平均値を算出した。主要評価におけるプラセボとの群間比較は線形傾向対比を用いてstep-down法により行った(両側5%)。RAASホルモンについてはプラセボとの比較をDunnett型の検定により行った。なお有意水準は両側5%とする。
結果:
投与8週後のトラフ時坐位DBP(カフ圧)は、Ep群がP群に対し最低投与量である1日50mg以上で、1日1回投与及び2回投与のいずれの用法で有意に低下した(p≦0.036、下降順位による逐次検定)。Spi群はP群に比べ有意に血圧が低下し(p<0.001、対比に基づくt検定)、Ep群1日400mgと同程度であった。
投与8週後におけるトラフ時坐位DBP(カフ圧)のベースラインからの平均変化量(主要評価項目)[海外データ]
*1:Ep群vs. P群;下降順位による逐次検定、Spi群vs. P群;対比に基づくt検定
*2:対比に基づくt検定安全性:
有害事象は全体で46%(190例)の患者で発現した。Epを投与したいずれかの群で5%以上発現した有害事象は、頭痛、両下腿痙直、めまい、臨床検査異常、嘔気、高コレステロール血症、関節痛、上気道感染、副鼻腔炎であった。Ep群で治験薬と因果関係を否定できない有害事象は、頭痛(24例)、めまい(7例)、臨床検査異常(6例)、CK(CPK)上昇(5例)、γ-GTP上昇(4例)、筋(肉)痛、両下腿痙直、消化不良、高トリグリセライド血症、インポテンス、疲労(各3例)であった。性ホルモンに関連した有害事象は11例が報告され、発現率はEp各投与群で0~4%、Spi群で6%、P群で4%であった。Ep群でインポテンス、ジヒドロテストステロンの低下、テストステロンの上昇、前立腺特異的抗原の上昇(臨床検査異常)、及び月経後の頭痛及び痙攣(月経異常)が各2%(1例)であった。Spi群では女性乳房痛、乳房充血、月経中間期出血が各2%(1例)で発現したが、これらの事象はEp群では認められなかった。重篤な有害事象は、Ep群1日1回400mg/日投与群で偶発的損傷(蜘蛛咬刺傷)1例、Ep群1日1回50mg/日投与群でフレグモーネと胸痛(心臓痛)が各1例、Spi群で失神1例が報告された。死亡に至る症例は報告されなかった。有害事象による中止例は合計11例であり、P群2%(1例)、Ep群の1日1回50mg/日投与群で7%(4例)、1日1回100mg/日投与群、1日2回50、100、400mg/日投与群で各2%(1例)、Spi群で4%(2例)であった。
一部承認外の内容が含まれております。
注)セララの高血圧症に対する用法及び用量は「通常、成人にはエプレレノンとして1日1回50mgから投与を開始し、効果不十分な場合は100mgまで増量することができる」です。
参考文献
Weinberger, M.H. et al.: Am J Hypertens. 15(8): 709, 2002(COI:ファルマシア研究資金提供) - 本態性高血圧症患者を対象に行われた用量反応試験 (海外第Ⅱ相試験:049試験)
-
目的:
本態性高血圧症患者を対象としたエプレレノンのプラセボに対する有効性を検討する。
対象:
本態性高血圧症患者400例
試験デザイン:
多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験
試験方法:
エプレレノン(Ep)各投与群(25mg、50mg、100mg、200mg)とプラセボ(P)群へ無作為に割り付け、1日1回(朝)12週間治験薬を投与した。
評価項目:
[主要評価項目]投与開始12週間後のベースライン(二重盲検開始時)からの降圧効果(トラフ時DBP:坐位、カフ圧)
[副次評価項目]ベースラインからの降圧効果(SBP:坐位、カフ圧、トラフ時)、ABPMによる24時間平均血圧(DBP及びSBP)、RAASホルモン(血漿総レニン、血漿活性レニン及び血清アルドステロン)に対する影響、有効例の割合
解析計画:
有効性評価についてはベースライン値を共変量、用量群、施設を要因とした共分散分析モデル(ANCOVA)により調整済平均値を算出した。有効性評価におけるプラセボとの群間比較は線形傾向対比を用いてstep-down法により行った(有意水準:両側2.5%)。有害事象と有害事象による中止例の群間はFisherの直接確率法で比較した。臨床検査値はANCOVAに基づき群間比較を行った。
結果:
投与12週後のトラフ時坐位DBP(カフ圧)に対する降圧効果は、DBPは25mgを除いた50mg以上でEp群はP群と比較して有意に低下した(p≦0.0108、下降手順による逐次検定)。エプレレノン25mgから100mgまでの範囲では、用量に依存した降圧効果の増強が認められたが、100及び200mgでは同様の降圧効果であった。
投与12週後におけるトラフ時坐位DBP(カフ圧)のベースラインからの平均変化量(主要評価項目)[海外データ]
*:下降手順による逐次検定
安全性:
有害事象の発現率はP群48.9%(44/90例)、Ep群の25mg群46.7%(21/45例)、50mg群41.4%(36/87例)、100mg群50.0%(45/90例)、200mg群52.3%(46/88例)であった。発現率が高かった有害事象は、偶発的損傷、頭痛、腹痛、副鼻腔炎、上気道感染であった。高度の有害事象発現率はP群5.6%(5/90例)、Ep群の25mg群8.9%(4/45例)、50mg群4.6%(4/87例)、100mg群4.4%(4/90例)、200mg群5.7%(5/88例)であった。女性型乳房、月経異常、女性乳房痛は発現しなかった。重篤な有害事象はP群、Ep群の25mg群、50mg群、200mg群に各1例、計4例認められたが、死亡例はなく、いずれも治験薬との因果関係は否定された。有害事象により中止した症例は合計10例であった。各群の例数はP群2.2%(2例)、Ep群の25mg群6.7%(3例)、Ep群50mg群及び100mg群各1.1%(1例)、Ep群200mg群3.4%(3例)であった。治験薬との因果関係が否定できない症例は、P群1例、Ep群25mg群2例、100mg群及び200mg群各1例であった。
注)セララの高血圧症に対する用法及び用量は「通常、成人にはエプレレノンとして1日1回50mgから投与を開始し、効果不十分な場合は100mgまで増量することができる」です。
一部承認外の内容が含まれております。
参考文献
White, W.B. et al.: Am J Cardiol. 92(1): 38, 2003 - 症候性心不全患者を対象にした用量反応試験(海外第Ⅱ相試験:011試験)[海外データ]
-
目的:
症候性心不全患者にエプレレノン、プラセボ又はスピロノラクトンを投与したときの有効性及び安全性を評価する。
対象:
症候性心不全患者321例
試験デザイン:
多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験
試験方法:
エプレレノン1日1回25mg、1日2回25mg、1日1回50mg、1日1回100mg又はスピロノラクトン1日1回25mgあるいはプラセボを12週間経口投与した。エプレレノン1日1回100mg投与群は1日1回50mgで投与を開始し、第2週の来院時に1日1回100mg投与に増量し、第12週まで1日1回100mgの投与を受けた。エプレレノン群はその後4週間(第13~16週)は2倍量のエプレレノンの投与を受けた。スピロノラクトンの用量変更はなかった。
評価項目:
下記項目の第12週及び第16週のベースラインからの変化
[主要評価項目]NYHA心機能分類、ナトリウム貯留スコア
[副次評価項目]RAASホルモン濃度、神経体液性因子濃度、ナトリウム/カリウム腎排泄効果、甲状腺機能、黄体ホルモン及び男性ホルモン、Quality of life(QOL)
解析計画:
有効性の評価項目及びバイタルサインは、要約統計量(被験者数、平均値、標準誤差、中央値及び範囲)を示した。ベースラインから第12週、ベースラインから第16週、第12週から第16週までの変化量、実薬群とプラセボ群、エプレレノン各用量群とスピロノラクトン群との比較、ACE阻害薬及びループ利尿薬の併用用量のベースラインからの変化量は、施設で層別したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)検定を用いた。用量反応性はスピアマンの順位相関係数を用いて検討した。
結果:
NYHA心機能分類はいずれの群においてもベースラインから改善がみられ、エプレレノン1日1回50mg群のみプラセボ群との有意差が認められた(施設で層別したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)検定)。ナトリウム貯留スコアもいずれの群もベースラインから改善がみられたが、プラセボ群との有意差はなかった。
ベースラインから第12週までの変化量(主要評価項目)
*:プラセボ群との対比較で統計的に有意な差(施設で層別したCMH 検定)
安全性:
第1~12週には合計321例のうち217例(67.6%)に、第13~16週には合計275例のうち113例(41.1%)に有害事象が発現した。エプレレノン群及びスピロノラクトン群では、プラセボ群に比べて高カリウム血症の発現率が高かった。 一方、プラセボ群(5.5%)では両実薬群(2.2%以下)に比べて低カリウム血症の発現率が高かった。 スクリーニングから治験薬最終投与後62日までの試験観察期間中に13例が死亡した。このうち10例(エプレレノン1日1回25mg投与群2例、1日2回25mg投与群2例、1日1回50mg投与群1例、1日1回100mg投与群2例、スピロノラクトン群2例及びプラセボ群1例)は投与期間中の死亡又は投与期間中に発現した有害事象による死亡であった。それ以外にエプレレノン1日1回25mg投与群、1日2回25mg投与群及び1日1回50mg投与群の各1例が治験薬最終投与後24日以降に死亡した。重篤な有害事象は40例(エプレレノン1日1回25mg投与群9例、1日2回25mg投与群9例、1日1回50mg投与群7例、1日1回100mg投与群5例、スピロノラクトン群6例及びプラセボ群4例)に認められた。主な重篤な有害事象は心不全及び突然死であった。
第1~12週に有害事象により投与を中止した被験者は29例(エプレレノン1日1回25mg投与群7例、1日2回25mg投与群5例、1日1回50mg投与群4例、1日1回100mg投与群5例、スピロノラクトン群6例及びプラセボ群2例)であった。第13~16週に有害事象により投与を中止した被験者は7例(エプレレノン1日1回50mg投与群3例、1日2回50mg投与群1例、1日1回200mg投与群2例及びプラセボ群1例)であった。投与中止に至った主な有害事象は突然死及び高カリウム血症であった。注)セララの慢性心不全に対する用法及び用量は「通常、成人にはエプレレノンとして1日1回25mgから投与を開始し、血清カリウム値、患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に1日1回50mgへ増量する。ただし、中等度の腎機能障害のある患者では、1日1回隔日25mgから投与を開始し、最大用量は1日1回25mgとする。なお、血清カリウム値、患者の状態に応じて適宜減量又は中断する」です。
参考文献
社内資料:外国人症候性心不全患者を対象とした第Ⅱ相試験(011試験)(承認時申請資料) - 症候性心不全患者を対象に実施した用量反応試験 (国内第Ⅱ相試験:402試験)
-
目的:
症候性心不全患者に3用量(25mg、50mg、100mg/日)のエプレレノン又はプラセボを1日1回12週間投与したときの安全性及び忍容性を評価する。
対象:
日本人症候性心不全患者152例
試験デザイン:
多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験
試験方法:
エプレレノン25mg、50mg、100mg及びプラセボを1日1回12週間経口投与した。
評価項目:
下記項目の第12週(又は最終来院時)のベースラインからの変化
[主要評価項目]RAASホルモン濃度、神経体液性因子濃度、NYHA心機能分類
[副次評価項目]トラフ時の坐位収縮期血圧及び拡張期血圧、ACE阻害薬又はループ利尿薬の併用用量
解析計画:
RAASホルモン濃度、神経体液性因子濃度及び血圧はlast observation carried forward(LOCF)法を用いて解析した。ベースラインからの変化は、投与群及び施設を因子、ベースラインを共変量とする共分散分析(ANCOVA)を用いて解析した。本解析は、RAASホルモン濃度及び神経体液性因子濃度の測定値の自然対数について実施した。
結果:
血清アルドステロン濃度では用量依存性が認められ、エプレレノン50mg群及び100mg群では、プラセボ群と比較してベースラインから有意に増加した(p≦0.0016、共分散分析)。なお、エプレレノン25mg群では有意差はみられなかったものの、プラセボ群と比べ増加傾向がみられた。血漿総レニン濃度及び血漿活性レニン濃度では、エプレレノン全群においてプラセボ群と比較してベースラインから有意に増加した(p≦0.0071、共分散分析)。血清NT-proBNP 濃度では、エプレレノン100m群がプラセボ群と比較してベースラインから有意に減少した(p=0.0095、共分散分析)。NYHA心機能分類のベースラインからの変化は、エプレレノン群とプラセボ群で有意な差はみられなかった。
投与12週後におけるRAASホルモン濃度及び神経体液性因子濃度のベースラインからの平均変化率(主要評価項目)
*1:投与群内のベースラインからの平均変化率の95%信頼区間(両側)は、投与群及び施設を因子、ベースラインを共変量とする共分散分析に基づき算出した。
*2:調整済みp値。プラセボ群との比較は有効な最小用量を決定するために線形傾向対比を用いて規定していた逐次検定法に基づき実施した。片側2.5%で検定した。p値は投与群及び施設を因子、ベースラインを共変量とする共分散分析に基づき算出した。安全性:
因果関係を問わない有害事象の発現率は、エプレレノン1日1回25mg投与群、1日1回50mg投与群、1日1回100mg投与群及びプラセボ群で、それぞれ67.6%(25/37例)、71.8%(28/39例)、68.4%(26/38例)及び76.3%(29/38例)であった。最も発現率の高かった因果関係を問わない有害事象は、インフルエンザ様症候群(それぞれ10.8%、12.8%、23.7%及び23.7%)であった。因果関係を否定できない有害事象の発現率は、エプレレノン1日1回25mg投与群、1日1回50mg投与群、1日1回100mg投与群及びプラセボ群で、それぞれ24.3%、33.3%、23.7%及び36.8%であった。治験薬の最終投与後30日以内の死亡はエプレレノン1日1回100mg投与群1例、プラセボ群1例で報告された。
治験薬の投与期間中又は治験薬の最終投与後30日以内に、重篤な有害事象はエプレレノン1日1回25mg投与群2/37例、1日1回50mg投与群4/39例、1日1回100mg投与群2/38例、プラセボ群2/38例で報告された。これらのうち治験薬との因果関係を否定できないと判断された重篤な有害事象は各群1例にみられた。有害事象により投与を中止した被験者の割合はエプレレノン1日1回25mg投与群、1日1回50mg投与群、1日1回100mg投与群及びプラセボ群で、それぞれ16.2%(6/37例)、17.9%(7/39例)、7.9%(3/38例)及び7.9%(3/38例)であった。最も多く報告された投与中止に至った有害事象は高カリウム血症(エプレレノン1日1回25mg投与群1例、1日1回50mg投与群2例、1日1回100mg投与群1例及びプラセボ群1例)であった。参考文献
社内資料:日本人症候性心不全患者を対象とした第Ⅱ相用量反応試験(402試験)(承認時申請資料) - 本態性高血圧症患者を対象に行われた用量反応試験 (国内第Ⅱ相試験:403試験)
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目的:
日本人本態性高血圧症患者に対するエプレレノンの有効性及び安全性を評価する。
対象:
軽度~中等度日本人本態性高血圧症患者193例
試験デザイン:
多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、用量設定試験
試験方法:
エプレレノン50~200mgあるいはプラセボを1日1回8週間投与した。
評価項目:
[主要評価項目]座位拡張期血圧のトラフ値のベースラインから8週時の変化量
[副次評価項目]座位収縮期血圧のトラフ値のベースラインから8週時の変化量、24時間ABPM、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系ホルモンプロファイルの変化の割合
解析計画:
ベースライン値を共変量、用量群及び施設を要因とした共分散分析モデル(ANCOVA)によりベースラインからの変化量の調整済平均を算出した。プラセボとの群間比較は下降手順による逐次検定で行った(有意水準:片側2.5%)。
結果:
トラフ値座位DBP(カフ圧)の投与8週後の変化量は、エプレレノン100mg投与群及び200mg投与群でプラセボ群と比べ有意に大きかった(p≦0.0022、下降手順による逐次検定)。エプレレノン群は投与量50~200mgの範囲で用量に依存した降圧効果の増強が示された。
投与8週後におけるトラフ値座位DBP(カフ圧)のベースラインからの平均変化量(主要評価項目)
*:下降手順による逐次検定
安全性:
有害事象の発現率はプラセボ群で70.0%(35/50例)、エプレレノン50mg群で61.2%(30/49例)、エプレレノン100mg群で52.2%(24/46例)、エプレレノン200mg群で62.5%(30/48例)であった。主なものは、プラセボ群で頭痛6例(12.0%)、インフルエンザ様症候群、高トリグリセリド血症、不快感、上気道感染症、リンパ球増加症、心電図異常、高血圧悪化、末梢疼痛各3例(6.0%)、エプレレノン50mg群で頭痛8例(16.3%)、インフルエンザ様症候群4例(8.2%)、ALT(GPT)上昇、高尿酸血症各3例(6.1%)、エプレレノン100mg群でインフルエンザ様症候群、高尿酸血症、咽頭炎各3例(6.5%)で、エプレレノン200mg群でインフルエンザ様症候群6例(12.5%)、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、好中球増加各4例(8.3%)であった。
注)セララの高血圧症に対する用法及び用量は「通常、成人にはエプレレノンとして1日1回50mgから投与を開始し、効果不十分な場合は100mgまで増量することができる」です。
参考文献
Saruta, T. et al.: J Clin. Hypertens. 6(4): 175, 2004 (承認時評価資料)
COI(ファイザー:研究資金提供) - 慢性心不全患者を対象に実施した海外第Ⅲ相試験(EPHESUS試験)[海外データ]
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目的:
エプレレノン投与が心筋梗塞後の心不全患者の死亡、心血管イベントなどに及ぼす影響を検討する。
対象:
ACE阻害薬/ARB、β遮断薬、利尿薬、冠血行再建術などで標準治療中の急性心筋梗塞後(3~14日後)の左室機能不全(LVEF≦40%)及び心不全患者6,632例
試験デザイン:
多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験
試験方法:
対象患者にエプレレノン25mg/日又はプラセボを4週間投与し、その後エプレレノン群では50mg/日に増量した。投与中に血中カリウム値が5.5mmol/Lを超えた場合は5.5mmol/L未満になるまでエプレレノンを減量、又は一時的に中断した。平均追跡期間は16ヵ月であった。
評価項目:
[主要評価項目]全死亡、心血管死又は心血管イベントによる入院
[副次評価項目]全死亡又は全入院、心血管死、心血管死または非致死性の急性心筋梗塞
解析計画:
主要及び副次評価項目の群間比較には、ITT解析による、地域で層別し、投与群を因子としたCox比例ハザードモデルを用いた。p値の計算には、層別log-rank検定を用いた。
結果:
全死亡、心血管死又は心血管イベントによる入院は、エプレレノン群がプラセボ群と比較し有意な低下を認めた(全死亡:p=0.008、心血管死又は心血管イベントによる入院:p=0.002、層別log-rank検定)。投与期間(中央値)はエプレレノン群で440.0日、プラセボ群で441.0日であった。
主要評価項目の結果
*:ハザード比及びハザード比の95%信頼区間は、地域で層別し、投与群を主因子としたCox比例ハザードモデルを用いて算出した。p値は、地域で層別したlog-rank検定を用いて計算した。
安全性:
両群の有害事象の発現率は、エプレレノン群2,608例(78.9%)、プラセボ群2,623例(79.5%)であった。重篤な高カリウム血症(≧6mmol/L)は、プラセボ群3.9%、エプレレノン群5.5%に、重篤な低カリウム血症(<3.5mmol/L)はプラセボ群13.1%、エプレレノン群8.4%に認められた。エプレレノン群の主な有害事象は、心機能障害1,606例(48.6%)、胃腸障害659例(19.9%)、神経障害492例(14.9%)、プラセボ群は、心機能障害1,661例(50.3%)、胃腸障害583例(17.7%)、神経障害449例(13.6%)であった。
注)セララの効能又は効果は、高血圧症、慢性心不全(アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、利尿薬等の基礎治療を受けている患者)です。
参考文献
Pitt, B. et al.: N Engl J Med. 348(14): 1309, 2003 (承認時評価資料)
COI(ファルマシア:研究資金提供) - 慢性心不全患者を対象に実施した海外第Ⅲ相試験(EMPHASIS-HF試験)[海外データ]
-
目的:
収縮不全を伴うNYHA心機能分類Ⅱ度の慢性心不全患者に対するエプレレノンの有効性及び安全性を評価する。
対象:
収縮不全を伴うNYHA心機能分類Ⅱ度の慢性心不全患者2,737例
試験デザイン:
多施設共同、無作為化、並行群間、プラセボ対照、二重盲検比較試験
試験方法:
エプレレノン25mgあるいはプラセボを1日1回(eGFRが30~<50mL/min/1.73m 2 の被験者は隔日)投与し、1週間後に血清カリウム値に従い用量を調節した。4週目以降、血清カリウム値が5.0 mmol/L未満の場合、1日1回50mg(eGFRが30~<50mL/min/1.73m 2 の被験者は1日1回25 mg)に増量した。用量調節後は、原則1週間後に血清カリウム値を確認した。
評価項目:
[主要評価項目]心血管死又は心不全による入院
[副次評価項目]全死亡又は心不全による入院、全死亡、心血管疾患を原因とする死亡、全入院、心不全による入院、心血管疾患を原因とする入院、等
解析計画:
主要評価項目についてはITTを実施し、群間比較にはCox比例ハザードモデル又はKaplan-Meier法を用いた。主要及び副次評価項目の群間比較には、Cox比例ハザードモデルを用いた。ハザード比、ハザード比の95%信頼区間及びp値は、投与群を主因子とし、年齢、eGFR、LVEF、BMI、ヘモグロビン、心拍数、収縮期血圧、糖尿病、高血圧、心筋梗塞、左脚ブロックもしくはQRS幅130msec超、心房細動を共変量としたCox比例ハザードモデルを用いて算出した。p値の計算には、Wald検定を用いた。
結果:
主要評価項目である心血管死又は心不全による入院は、エプレレノン群でプラセボ群と比較し統計的に有意な低下を認めた(p<0.0001、Wald検定)。投与期間(中央値)はエプレレノン群で533.0日、プラセボ群で494.0日であった。
主要評価項目の結果
*:ハザード比、ハザード比の95%信頼区間及びp値は、投与群を主因子とし、年齢、eGFR、LVEF、BMI、ヘモグロビン、心拍数、収縮期血圧、糖尿病、高血圧、心筋梗塞、左脚ブロックもしくはQRS幅130msec超、心房細動を共変量としたCox比例ハザードモデルを用いて算出した。
安全性:
因果関係が否定できない有害事象は、エプレレノン群280例(20.6%)、プラセボ群218例(15.9%)に認められました。主な副作用は、高カリウム血症(エプレレノン群6.6%、プラセボ群2.8%)、腎機能障害(エプレレノン群1.4%、プラセボ群0.9%)、浮動性めまい(エプレレノン群1.0%、プラセボ群1.6%)でした。
重篤な有害事象は、エプレレノン群37例(2.7%)、プラセボ群30例(2.2%)でした。投与中止に至った有害事象は、エプレレノン群46例(3.4%)、プラセボ群42例(3.1%)でした。
因果関係が否定できない重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象の事象名とその例数は記載がなかった。注)セララの効能又は効果は、高血圧症、慢性心不全(アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、利尿薬等の基礎治療を受けている患者)です。
参考文献
Zannad, F. et al.: N Engl J Med. 364(1): 11, 2011 (承認時評価資料)
COI(ファイザーは本試験をサポートし、筆頭著者Dr.Zannadに講演料を支払っています) - 慢性心不全患者を対象に実施した国内第Ⅲ相試験(J-EMPHASIS-HF試験)[海外データ]
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目的:
NYHA心機能分類Ⅱ度以上の日本人慢性収縮期心不全患者に対するエプレレノンの有効性を評価する。
対象:
NYHA心機能分類Ⅱ度以上の日本人慢性収縮期心不全患者221例
試験デザイン:
多施設共同、無作為化、並行群間、プラセボ対照、二重盲検比較試験
試験方法:
エプレレノン25mgあるいはプラセボを1日1回(eGFRが30~<50mL/min/1.73m 2 の被験者は隔日)投与し、1週間後に血清カリウム値に従い用量を調節した。4週目以降、血清カリウム値が5.0mmol/L未満の場合、1日1回50mg(eGFRが30~<50mL/min/1.73m 2 の被験者は1日1回25mg)に増量した。用量調節後は、原則1週間後に血清カリウム値を確認した。
評価項目:
[主要評価項目]心血管死又は心不全による入院
[副次評価項目]全死亡又は心不全による入院、全死亡、心血管疾患を原因とする死亡、全入院、心不全による入院、心血管疾患を原因とする入院、等
解析計画:
主要評価項目についてはITTを実施し、群間比較にはCox比例ハザードモデル又はKaplan-Meier法を用いた。ハザード比及びハザード比の95%信頼区間は、投与群を主因子とし、NYHA心機能分類及びeGFRを共変量としたCox比例ハザードモデルを用いて算出した。
結果:
主要評価項目である心血管死又は心不全による入院は、EMPHASIS-HF試験と一貫した結果が得られた*1。エプレレノン群のプラセボ群に対するハザード比(95%信頼区間)は0.85(0.53, 1.36)であった。投与期間(中央値)はエプレレノン群で749.0日、プラセボ群で741.5日であった。
*1:試験開始前に規定した一貫した結果の基準:主要評価項目のハザード比の点推定値が1未満
主要評価項目の結果
*2:ハザード比及びハザード比の95%信頼区間は、投与群を主因子とし、NYHA心機能分類及びeGFRを共変量としたCox比例ハザードモデルを用いて算出した。
安全性:
因果関係の否定できない有害事象の発現率は、エプレレノン群30.6%(34例)、プラセボ群26.4%(29例)でした。
主なものは、エプレレノン群は浮動性めまい6例(5.4%)、血圧低下、脱水、高カリウム血症、低血圧各4例(3.6%)、血中カリウム増加3例(2.7%)、プラセボ群は低血圧4例(3.6%)、高カリウム血症3例(2.7%)、心突然死、血圧低下、糖尿病、浮動性めまい、意識消失、急性腎不全各2例(1.8%)でした。
因果関係の否定できない有害事象で投与中止に至ったのは、エプレレノン群4.5%(5例)、プラセボ群1.8%(2例)でした。事象名と例数は引用元に記載がありません。
因果関係を否定できない重篤な有害事象は、エプレレノン群3.6%(4例)、プラセボ群7.3%(8例)で、エプレレノン群の内訳は、脳梗塞2例、気胸、肺炎および横紋筋融解症各1例でした。参考文献
社内資料:日本人慢性心不全患者を対象とした第Ⅲ相試験(承認時評価資料) - カリウムに関連する添付文書の注意事項
-
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)【抜粋】
効能共通
2.2
高カリウム血症の患者もしくは本剤投与開始時に血清カりウム値が5.0mEq/Lを超えている患者
[高カリウム血症を増悪させるおそれがある。]2.5
カリウム保持性利尿薬を投与中の患者[10.1参照]
2.6
イトラコナゾール、リトナビル及びネルフィナビルを投与中の患者[10.1参照]
高血圧症
2.7
微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者[高カリウム血症を誘発させるおそれがある。]
2.8
中等度以上の腎機能障害(クレアチニンクリアランス50mL/分未満)のある患者[9.2.3参照]
2.9
カリウム製剤を投与中の患者[10.1参照]
7. 用法及び用量に関連する注意【抜粋】
高血圧症
7.2
本剤の投与中に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えた場合には減量を考慮し、5.5mEq/Lを超えた場合は減量ないし中止し、6.0mEq/L以上の場合には直ちに中止すること。
慢性心不全
7.4
定期的に血清カリウム測定を行い、表に従って用法・用量を調整すること。[8.1、11.1.1参照]
表 血清カリウム値による用法及び用量調節
8. 重要な基本的注意 【抜粋】
8.1
高カリウム血症があらわれることがあるので、血清カリウム値を原則として投与開始前、投与開始後(又は用量調整後)の1週間以内及び1ヵ月後に観察し、その後も定期的に観察すること。[7.4、11.1.1参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意 【抜粋】
9.1
合併症・既往歴等のある患者
慢性心不全
9.1.1
微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者
より頻回に血清カリウム値を測定すること。高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある。9.2
腎機能障害患者
効能共通
9.2.1
重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)のある患者
投与しないこと。高カリウム血症を誘発させるおそれがある。[2.3参照]9.2.2
軽度の腎機能障害のある患者
より頻回に血清カリウム値を測定すること。高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある。高血圧症
9.2.3
中等度以上の腎機能障害(クレアチニンクリアランス50mL/分未満)のある患者
投与しないこと。高カリウム血症を誘発させるおそれがある。[2.8参照]慢性心不全
9.2.4
中等度の腎機能障害のある患者
より頻回に血清カリウム値を測定すること。高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある。9.3
肝機能障害患者
効能共通
9.3.1
重度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスCの肝硬変に相当)のある患者
投与しないこと。高カリウム血症等の電解質異常が発現するおそれがある。[2.4参照]9.3.2
軽度~中等度の肝機能障害のある患者
高カリウム血症等の電解質異常の発現頻度が高まるおそれがある。9.8
高齢者
9.8.2
より頻回に血清カリウム値を測定すること。一般的に腎機能が低下していることが多く、
高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある。参考文献
1) セララ 添付文書 - 腎機能障害に関連する添付文書の注意事項
-
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)【抜粋】
効能共通
2.3
重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)のある患者[9.2.1参照]
高血圧症
2.8
中等度以上の腎機能障害(クレアチニンクリアランス50mL/分未満)のある患者[9.2.3参照]
7. 用法及び用量に関連する注意【抜粋】
慢性心不全
7.3
中等度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/分以上50mL/分未満)のある患者においては、1日1回隔日25mgから投与を開始し、血清カリウム値、患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に1日1回25mgへ増量する。なお、最大用量は1日1回25mgとすること。臨床試験で使用されたeGFRに基づく調節については「17.1.13、17.1.14臨床成績」を参照すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意 【抜粋】
9.2
腎機能障害患者
効能共通
9.2.1
重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)のある患者
投与しないこと。高カリウム血症を誘発させるおそれがある。[2.3参照]9.2.2
軽度の腎機能障害のある患者
より頻回に血清カリウム値を測定すること。高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある。高血圧症
9.2.3
中等度以上の腎機能障害(クレアチニンクリアランス50mL/分未満)のある患者
投与しないこと。高カリウム血症を誘発させるおそれがある。[2.8参照]慢性心不全
9.2.4
中等度の腎機能障害のある患者
より頻回に血清カリウム値を測定すること。高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある。参考文献
1) セララ 添付文書