隅角検査の重要性


Series1 隅角検査のコツ
隅角検査の重要性
隅角検査が緑内障の病型診断、治療方針の決定に不可欠な検査であることはよく知られています。
しかし、日頃の診療の中で隅角検査が行われていない、あるいは行われていても、その所見が正確に把握されていないために適切な治療が行われていない症例をみることは珍しくありません。
近年、超音波生体顕微鏡や前眼部光干渉断層計による隅角構造の定量的解析によって隅角の広狭や開放、閉塞に関する客観的評価が可能となってきましたが、隅角鏡を通して得られる所見は3次元カラー情報であり、画像解析による白黒断層像では決して捉えられることのできない様々な眼疾患の病理学的変化を示しています。
隅角検査が緑内障検査の一つではなく、眼底検査や細隙灯顕微鏡検査と同様に、すべての眼科医が習熟しなければならない眼科基本検査であることをあらためて認識する必要があります。
監修:四谷しらと眼科 院長 白土 城照 先生
専門分野/眼科学一般 緑内障
東京大学医学部卒業後、東大病院眼科、University of California San Diego、四谷しらと眼科を経て現在は東京大学眼科学教室で教授を務める。眼科学一般、特に緑内障を専門としており、この分野における診療ならびに研究のトップランナー。治療においては患者さんの生活の質を少しでも向上できるような手術を目指しており、診断においては少しでもムダな治療をしないようにするための慎重かつ注意深い診断をモットーとしている。