GADとは
全般不安症(GAD)患者の特徴
GADとは、日常生活の多くの出来事や活動に対して過剰かつコントロールできない心配や不安が6ヵ月以上続く状態であり、多くの場合、身体症状を伴います1,2)。18歳から99歳までの成人における調査では、男性に比べて女性が1.8倍多く、また、60歳以上の方に比べ、60歳未満の方でGADの有病率が高くなっています3)。DSMに基づく日本の一般人口の生涯有病率はいずれかの不安症で8.1%、GADで2.6%、うつ病では6.1%と報告されています4)。
GAD患者が訴えることが多い症状としては、過剰な心配や不安、落ち着きのなさ・緊張感・神経の高ぶり、睡眠障害、疲労感が挙げられ、社会生活などにおいて苦痛や障害を伴うとされています2)。
(GADと診断した患者をもつ医師, n=433, 複数回答)
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- 対象:
- 2022年11月に10名以上外来患者を診察した医師509名(精神科医493名、心療内科医16名)
- 方法:
- 2022年12月12日~16日にWebアンケートで、本調査のために作成された37問で構成される質問票を利用した。記述分析のみが実施され、データはカテゴリー変数については度数または割合、連続変数については要約統計量(平均値、標準偏差、中央値、範囲)として示された。
- リミテーション:
- インターネットおよびコンピューターを利用できる日本国内の医師のみを対象としているため選択バイアスが含まれる可能性がある。また、診断・投薬・周辺疾患等は自己申告のため、記憶によるバイアスや社会的に望ましい回答をしようとするバイアスが作用する可能性がある。
- 1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎・大野 裕(監訳):DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル.p.242-243,医学書院,2023
- 2)Nomoto, K. et al.:Neuropsychiatr Dis Treat 20:1001, 2024[COI:本論文の著者のうち3名は、ヴィアトリス社の社員である。]
- 3)Ruscio, A. M. et al.:JAMA Psychiatry 74:465, 2017(supple含む)
- 4)Ishikawa, H. et al.:Epidemiol Psychiatr Sci 25:217, 2016
GADと病的ではない心配・不安の特徴
GADと病的ではない心配や不安を鑑別するポイントとして、以下の点が挙げられます。
- GADの心配や不安は過剰で、心理的及び社会的機能に意味のある障害を生じます1)。
- GADの心配や不安は広範・顕著・苦痛であり、誘因なく生じて持続時間が長いのが特徴です。一方、日常生活に伴う心配や不安は、より緊急な課題が生じたときには後回しにすることも可能です1)。
- GADでは身体症状を伴うことがあります。身体症状には、落ち着きのなさや緊張感、神経の高ぶり、疲れやすさ、集中困難、易怒性、筋肉の緊張、睡眠障害、発汗、嘔気、下痢など様々なものが挙げられます1)。
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- *1 例:落ち着きのなさ、緊張感、神経の高ぶり、疲れやすさ、集中困難、易怒性、筋肉の緊張、睡眠障害、発汗、嘔気、下痢、など
- *2 ストレスと関連することのある他の状態(過敏性腸症候群、頭痛など)が伴うことも多い
監修:東京女子医科大学附属足立医療センター
心療・精神科 特任教授 大坪 天平 先生
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1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎・大野 裕(監訳):
DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル.p.242-243,医学書院,2023 より作成
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