隅角検査:原理・種類・検査の実際 隅角検査の進め方2


Series1 隅角検査のコツ
隅角検査:原理・種類・検査の実際
隅角検査の進め方② 隅角検査の実際(動画)
※どの方向から観察するかは個人で決めて、ルーチンワークとなるようにしてください。
1面鏡左眼動画:26秒
ご覧いただく隅角検査の映像は、反射鏡1枚の隅角鏡で観察したものです。症例は、女性、van Herick 分類 Grade1の狭隅角です。
症例:狭隅角、van Herick 分類
Grade1
左眼の上方隅角から観察します。この症例は狭隅角のため、患者さんに反射鏡の方向を軽くみてもらうと、隅角底の観察が容易になります。
上方隅角に周辺虹彩前癒着(PAS)が観察されます。
隅角鏡を回転させ、耳側、下方、鼻側の順に隅角全周を観察します。
1面鏡右眼動画:47秒
ご覧いただく隅角検査の映像は、反射鏡1枚の隅角鏡で観察したものです。症例は、女性、van Herick 分類 Grade1の狭隅角です。
症例:狭隅角、van Herick 分類
Grade1
右眼の隅角を観察します。
瞳孔正面の眼位で、隅角鏡を傾けないようにして、下方の隅角を観察します。隅角底がみえる広隅角の症例では、この状態のまま隅角鏡を回転させて全周を観察します。
しかし、この下方隅角は重度の狭隅角のため、視線を反射鏡方向に移動させたうえで、隅角鏡の反射鏡側を押し込むように角膜を圧迫し隅角を観察します。
この隅角鏡による圧迫法により、前房水が観察したい隅角側に押しやられ、周辺虹彩を後方に押し下げることで隅角が開大し、みえなかった隅角底の観察が可能になります。
隅角鏡を回転させ、鼻側、上方、耳側の順に全周を観察していきます。
左眼と同様に、上方隅角にPASが観察されます。
6面鏡動画:16秒
ご覧いただく隅角検査の映像は、反射鏡6枚の隅角鏡で観察したものです。症例は女性です。
症例:女性
6面鏡の隅角鏡を用いて観察した映像です。
隅角鏡を回転させずに隅角の全周を観察することができます。使いやすいという利点がありますが、反射鏡が小さいうえに接眼面も小さくなるので、画面がゆがみやすく、解像度も悪くなります。
また、どうしても角膜を圧迫しがちで、狭隅角を開放隅角と見誤ることがあります。一方、圧迫により虹彩を後退させて狭隅角が開大することで、隅角底がみやすくなる利点があります。
監修・映像提供:
四谷しらと眼科 院長 白土 城照 先生
東京大学医学部 眼科学教室 教授 相原 一 先生


